寒椿

北から風が吹いてると なつかしい奴
北風吹き込む せまし部屋くらしていた頃は
マイク マイク片手に酔いしれて
今でもあの酒場 うらみ歌でも 歌うのか
遠慮がち鳴る電話とだえて一年目

小さな過去にこだわって 身を引いた奴
あの頬なぐってやれたなら 続いていた恋か
離れ離ればなれになってみて
しみじみしている 愛でくるんだ想いやり
この俺が惚れたのは お前が一人だけ

一人一人はしごで飲みつぶれ
ころがる 明けがたの 窓の向うに寒椿
おりおりの四季の花 なくして一年目
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