夕影鳥

夕暮れの 雅(みやび)の京都
薄墨(うすずみ)の とばりが下りる
鳴いて 鳴いて 鳴いて
鳴いて誰を呼ぶ
嵯峨野隠処(さがのかくれが) 夕影鳥(ほととぎす)
愛にはぐれた わたしもひとり

竹林の 寂しさ乗せた
鐘の音 こころに沁みる
あなた あなた あなた
あなた逢いたいと
つばさ濡らすか 夕影鳥(ほととぎす)
月も片割れ たもとを絞る

送り火の 炎もやがて
山肌を こがして消える
燃えて 燃えて 燃えて
燃えて身を焼いた
過去へ飛びたい 夕影鳥(ほととぎす)
つのる未練が おもかげ捜す
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