B級映画のEnding

傘もささず 雨の中で抱きしめ合う二人
冷めた夜を背にしながら うつむいた心を語り合う
「ゆくあてなく歩いたから 疲れたんだきっと」
肩にかかる長い髪を 右手でよけながらささやく男
細い手が強く背中を抱いて
「ゴメンネ」とつぶやいた時 空に
かすんだ目を写したスクリーン
幸せを追いかける あて名のない手紙が
彼をはなれて 知らない風に 流れてゆくストーリー

昨日まで加速していたはずの
恋は今どこへ 消えてくのだろう
思い出だけ 置き去りにして
幸せを追いかける あて名のない手紙を
読みかけていた 彼の心に さまよう雨音

君を愛しているよ 出会いと変わらず今も
B級映画のシナリオじゃない 二人に会いたい
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