見えない海

こんな時にかぎって時間がありあまる
あてもなくドライブして停めた人気も無いここで
殘り少ない永久の時間が削れてく

今夜は僕は家(うち)には帰らない
今夜僕はここで無駄に時を過ごすんだ
だって君は今夜出て行くんだろ

一人になりたきゃなればいい
君の思うようにすればいい
見えない海の向こうへ行ってしまえ
そのまま出て行けばいいんじゃない
僕が外(よそ)で遊んでいると
そう思っているうちに

シャツのポケットに入ったわずかな予算では
ぐらぐらの愛を埋める接着剤さえ買えないね
だって君は今夜出て行くんだろ

一人になりたきゃなればいい
二人の良さを分かればいい
見えない海の向こうへ行ってしまえ
最後の煙草に火をつけた
この煙草の火が消える時
もう君は居ないだろう

流れる星たちよ
本当にこれで
これでいいんでしょうか?
弱さに酔っているような僕に
君はもったいないや

一人になりたきゃなればいい
君の思うようにすればいい
見えない海の向こうへ行ってしまえ
そして幸せになるがいい
柄にもなく霞む空を見上げ
祈ってみようかな

一人になりたきゃなればいい
君の思うようにすればいい
一人になりたきゃなればいい
笑顏で出て行っておくれ
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