らせんの夜

魔法が解けたらセピアの街の向こうで
目を細めて そこには何が見える
胸に 闇照らすオレンジの猛火焚いて
動き出す 歩き出す

置いてきた日々 背中越し遠くで
あの日の君が ほら そっと手を振っている
旅立ちの日 その声 この胸に刻んで
遥か想う 走りだす

どこかでこぼした ため息ひとつ
静かに空染めながら
言葉にすれば敵わぬような
触れてしまえば叶わぬような
ライン飛び越えたら また長いらせんを
駆け登って行くよ

明日がすぐそこになくても
君の声 もう聞こえなくても
あの月がもう見つからなくても

目を離さないで
その灯を絶やさないで
強く遠く導いて
さあ 追いかけて行くよ

ああ 今すぐ届かなくても
足もと もう待ってなくても
夜のどこかで ふと 見上げるよ

明日がすぐにこなくても
君の声 もう聞こえなくても
夜のらせんを駆け登って さあ 行こうよ
あの月がもう見つからなくても
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