たそがれ酒場

風もないのに 堀割りで
縄ののれんが ふるえてる
たそがれ酒場
まるでブロークン・ホテルみたいに
ここはあぶれた 人のたまり場所

俺も仲間の その一人
いつも日暮れて やって来る
たそがれ酒場
朽(く)ちた止り木に 腰を降ろして
飲むは火のよな 強い奴なんだ

暗いランプに 背を向けて
知らぬ女も 泣いている
たそがれ酒場
肩を叩いて 何かひと言
言ってやりたい 俺も弱虫さ
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