走馬燈

遠い日の 忘れがたみの
絵馬ひとつ たてがみ荒れて
夏は傾く

牧場行く 車の前の
一瞬を 影いなないて
秋かけぬける

凍てついた 星が降りつむ
冬の夜に ひずめの手入れ
夢の夢の重たさ

てのひらに 角砂糖のせて
春呼べば 鼻面こする
そのおもいでを
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