港の夢草紙

棄てて行くのなら 仕方がないと
火の酒あおって 背中を向けた
波止場の灯(ひ)が消えて 窓辺に積る雪
泣かれても 追われても 連れては行けない
最後の夜だよ
港の恋は 所詮は夢草紙

遠いふる里に よく似た町を
見つけたみたいに 暮らした二人
男の気まぐれか 女の身勝手か
つらいけど 悪いけど いい夢見たのさ
鴎よ哭くなよ
港の恋は ゆきずり夢草紙

男の優しさが 女を傷つける
別れても 離れても 未練は残すな
二度とは逢えない
港の恋は さすらい夢草紙
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