演劇テレプシコーラ

揺れて 傾く 照明の灯
ここは 童話の 世界さ
踵 鳴らして 踊ってる
君の 手に 忘れた

林檎 片手に 狼が
「落とした のは 君か?」と
揺れる 世界に 耐えかねて
枯葉の 様に 落ちた

フォリン
目が眩んでは立ち尽くしてる
アメイジン
観客はもう一人もいない

小指に 繋がる 赤い糸
電線に 絡まり 解けない
喉の 途中で 引っかかる
台詞 一つ 飲み込んだ

影絵になって
人形になって
踊り踊れ
言葉を吐け
拳銃を持って
拳銃を持って
世界を撃ち抜け

フォリン
その唇が吐き出さない様
アメイジン
全て無視して口付けをした

フォリン
世界が揺れる傾いていく
アメイジン
「最初の台詞思い出せるかい?」

フォリン
目が眩んでは泣きそうになる
アメイジン
観客はもうあなた一人だけ

「それでは皆さんさようなら」
舞台で彼女は微笑んで
頭に銃を突きつけた
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