夜行列車

闇夜を照らす
あやかしの光
死に急ぐ者たち
むかえる狐火

萎えた心と
うつろな瞳
青ざめた顔には
絶望が浮かぶ

過ちから 踏み外した
栄光への線路
暗い未来 苦い涙
人生のダイヤは乱れたままに

遥かな地をめざして独り汽車に乗りこむ
花に囲まれて美しく死ぬために
二度と戻れないこの世に別れを告げれば
胸の高鳴りと共に発車のベルが鳴る

生まれたときから
迷い込んだ迷路
抜け出せない螺旋の
終わらない悪夢

極楽の切符
握りしめる夜
命とはオサラバ
未練も捨てた

辛い現実 逃げて行くのは
幸福への線路
胸に残る 古い傷痕
運命の軌道は外れたままに

走り出した汽車はやがて街を抜け出し
星のない夜空の果てに吸い込まれる
いくつかの思い出が窓の外浮かんで消える
鮮やかな彩りの儚い恋の記憶
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