百鬼夜行

化けの皮を編み継ぎ接ぎ繕う 偽りの笑み 右習え右
ちょん切られてのたうち回る 本音を語る舌は蜥蜴の尾

手枷足枷 緊縛の命 ちらりほらりと揺れる灯
宵に漂うは闇の藻屑 道連れの果ては徒然と

ぞろぞろり だらだらり

頭の中を蟲が這う

ぞろぞろり だらだらり

掻き毟る爪に喰い込んだ蠢く迷い

何を追い何を求めて何に縋り付くのか
それが見えぬまま、解らぬままに歩み進むは百鬼夜行
さんざめく祭囃子に心の臓が泣き叫ぶ
嘘の喉笛を噛み千切り出るそれこそが真の声なり

闇を撫でる虚に恐れ戦き 故に灯 のらりくらり
命燃やし溶かし嘘に死す

ぞろぞろり だらだらり

頭の中を蟲が舞う

ぞろぞろり だらだらり

産み付けられた蟲卵がどろり滴る

馴れ合いの汚泥に染まりくすんだ意識は翳む
心無き手に手を引かれながら歩み進むは百鬼夜行
さんざめく祭囃子に浮き足立つ現世
耳を塞ぎ振り返らぬ様 行きも帰りも怖い怖い

舐め回した嘘は甘露 醒めぬ酔いに吐き回す

ぼとり…と堕ちた化けの皮一つ その裏側に幾千の欺瞞

闇に溺れ藻掻いて死ぬか 闇を裂いて足掻いて死ぬか
揺れる提灯 夜風が攫う 取次筋斗 己が命の足跡
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