おんな橋

これっきり 逢えないなんて
馬鹿な二人と 氷雨が嗤(わら)う
もう少し せめて次の 橋までと
いくつ渡った 堂島川の
あゝ浪花の おんな橋

コップ酒 ふたりであけた
あれは固(かた)めの 盃だった
この縁(えにし) こわさないで 下さいと
そっと拝んだ 道頓堀の
あゝ浪花の おんな橋

訳(わけ)ありの 浮名じゃないか
水に流せと 鴎がせかす
死ぬよりも もっと辛い 胸の中(うち)
知るや知らずや 横堀川の
あゝ浪花の おんな橋
×