涅槃寂静

絶望さえも呑み込む寂静
五月蠅い譜はいらない
地獄へ堕ちてゆけ

安息を掻き乱す悪行
愚かな罪人に 相応しき報いを

果てなく続く罰と 苦悶の闇
手を伸ばして掴んだ細い糸を
嘲嗤うかのように断ち切った

涅槃の海を漂う心
希望の譜はいらない
奈落で罪を知れ

耳障りな聲を鳴らし続けるなら
せめて無聊の慰めに

轟く阿鼻叫喚 悲嘆の波
寄り縋って掴んだ醜い手を
憐れむかのように解いた

哀哭が静寂を侵す
不条理な世界で

求めた涅槃寂静 現の夢
崩れ堕ちて 塞いだ耳の奥で
鳴り止まぬ叫声

遍く深く閉じた 冥府の闇
手を伸ばして掴んだ細い糸は
嘲嗤うかのように千切れた
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