シュレディンガーの禿

僕が飼っていた 小さな猫を箱に閉じ込めて
僕を見つめるヒトミを避けるよに 箱に蓋をした
雨のゴミ捨て場 小さな箱の中で震えてる
猫がそのあと生きるのか死ぬのか 僕には分からない

後ろ髪を引かれ 逃げ出すように歩く
背中に呼びかける 懐かしいキミの声

ごめんね もしかして 分からないけど うすくなってない? えっ?
自分で 見られない アタマの後ろ キミが見つめていた
観測するまで 確定はしない 不確定性な シュレディンガーの猫
観測するまで 確定はしない 量子的彼女 シュレディンガーの禿

キミが見つめてた 僕の頭部を観測するまで
僕が禿げてるか禿げていないのか 僕にはわからない
雨のゴミ捨て場 小さな箱の中で震えてる
猫もそのあとに生きたか死んだか 僕には分からない

後ろ髪退かれ過ぎて 急にうすくなったか?
背中からシャッター音 せまり来るキミの声

やっぱり 見てよ スマホで撮ったよ うすくなってるよ えっ?
自分で 見られない アタマの後ろ キミが写メって見せた
観測したから 不確定じゃない 確定している シュレディンガーの禿
観測するまで 確定はしない 不確定性な シュレディンガーの猫
知りたくないこと 確定してくる 量子的彼女 シュレディンガーの禿
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