あんたの大漁船

沖を目ざして 船を出す
ついてゆきたい 私だけれど
足手まといの 身がつらい
無事を祈って 港に立てば
波の 波の飛沫が 涙に変わる

船は波間に 見えかくれ
遠くなるほど 思いはつのり
幼な子しっかり 抱きしめる
声のかぎりに 叫んでみても
風に 風に消されて 散ってゆく

今度いつまた 帰るのか
早く逢いたい 戻ってくれと
言わず心で 願う日々
祝い御膳の 支度をしてさ
待ってる 待ってるあんたの 大漁船
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