梅花藻

君を愛した 離ればなれの時でも
歌を作った 君に聴かせるために

空が曇り出せば 雨傘を探しまわった
僕が傘になれば それでよかったんだね

新しい扉を 開く君の背中
見つめることが 見送ることが
僕の最後の仕事

溢れそうな涙も 言えなかった言葉も
季節を変える つむじ風に乗せ
あの青空に消えていった

君を守った 会えない時が続いても
空を探した 君を連れてゆく空を

部屋が陰る朝は 花を買いに走った
僕が微笑んだら それでよかったんだね

逆光の彼方へ 霞む君の背中
手を振ることが 信じることが
僕にできるすべてさ

溢れ出した涙も こぼれ落ちた言葉も
明日になれば 引き潮に乗せて
あの海原に消えてしまえ

君はいつでも“今”が 一番美しかった
流れる水に身体あずけて
咲き誇るあの花よりも

新しい扉を 開く君の背中
見つめることが 見送ることが
僕の最後の仕事

溢れそうな涙も 言えなかった言葉も
季節を変える つむじ風に乗せ
あの青空に捨ててしまえ
あの海原に捨ててしまえ
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