本牧ドール

夜のとばりが 降りる頃 本牧裏通りに佇んで
真っ赤なドレスで着飾って お客が来るのを待っている
こんな寒い 雨の夜は 誰もお客は来やしない
誰が呼んだか この私 本牧ドールと呼ばれてた

あれは17(じゅうひち)冬の日に 田舎町から逃げ出した
夜行列車に飛び乗って ポッケにゃ万札1枚忍ばせて
憧れていた横浜で たどり着いたのは 本牧さ
誰が呼んだか この私 本牧ドールと呼ばれてた

ここは本牧 裏通り ネオンの光の裏側で
明日の寝ぐらもわからずに 男の腕をすり抜けて
お酒にゃ強くなったけど 今も心は凍ったまま
誰が呼んだか この私 本牧ドールと呼ばれてた

まるでカモメが飛び立つように そろそろここともオサラバさ
恋した男もいたけれど いつも心は泣いていた
憧れていた横浜の 本牧の街よ さようなら
どこへ行くのか この私 本牧ドールは もういない…
誰が呼んだか この私  本牧ドールと 呼ばれてた…
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