Troll Inc.

きっかけはあいつだった 何もかもが無茶苦茶になった
この街も昔は静かだったんだ それが普通だった
そこにあいつが出てきて 誰も彼もが夢中になった
今、僕等は同じベルトコンベアに乗せられてるようだ

それから猫も杓子も皆んな 虚仮威しでスキャンダラスな死体を貪ってる

“何者でもないってわからないのか”
まだまだ足りないよ 足りないよ
やり足りないよ もう嘘でもいいじゃんよ
“俺たちが報われないなんて認めない”
あれこれ詰め込んで 書き換えて
消し去ったって そんな程度じゃ無傷だろ

まるでシンパみたいに 街は日に日に狂気で満ちた
同じ顔になって溢れた街並みはまるで教団だった
そこで誰かが言った 「出来損ないは仲間じゃないぜ」
お揃いの化け物達も声を揃えてよそ者を蹴り出した

扇動的なカメレオンがのさばって 何者にもなれないと色を失ってる

“何者でもないってわからないのか”
まだまだ足りないよ 足りないよ
やり足りないよ だってあいつが間抜けなんだもん
“俺たちが報われないなんて認めない”
今が全てなんで 全てなんで
可哀想なんて あっそ、大きなお世話なんだよ

―どうだい どうだい転んだ 他人をリンチするごっこ遊びは
―そんな そんなつもりじゃ なかったとでも思ってるんだろ
―そうかい そうかい結構
そんな形を正義なんて呼ぶとは 勉強になったよ

“何者でもないってわからないのか
ぐずぐずしてらんない、おかしくなってしまいそう
もう一人残らずやっちまおう
俺たちが報われないなんて認めない
切り込み隊長のお出ましだ、叫んで、忍び寄って
もう一人残らずやっちまおう”

“何者でもないんだから”
この身を投げ出して 投げ出して
足引っ張って あいつをどん底に落とそう
“俺たちが報われないなんて認めない”
それでも足りないよ 足りないよ
やり足りないよ だって皆んなもっとやってるんだもん

たとえ滑稽で 不甲斐なくて 嘘っぱちだって もう引き返せやしないんだよ
明日もそうやって 明後日だって 夜もすがらだって
終わりは 僕等だって 知りたくもない
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