パドル

雨上がりの街はまるで僕の心みたいだな
濡れたまんまくらいが丁度良い
それくらいが良い

雨が止んだ後はいつも心で願っている
「誰も僕の涙に気付かぬように」
顔を伏せて歩いた

水たまりを覗き込むと
「まだ死んじゃいない、こんなもんじゃねえぞ、今に見てろよ」と叫ぶ
僕の瞳があった

ダメな自分を愛せなくても この瞳は前だけを見ていた
「怖がらないで、前に進もう、行こうか」 手を引かれた気がした
「まだ終わっちゃいないよ、一歩一歩進もう」

息をして 吐くだけの繰り返し
それなのにどうしてだろう?
生きることは容易さと程遠い

心の場所を知らなくても
なんだか涙は出るし痛む日もある
「どっか行っちまえ」と叫ぶ
でも無くしたくないな

「感じるままに、信じるままに」
使い古した言葉でも救える人がいるだろ?
大それたことじゃなくて 自分自身のこと
「まだ終わっちゃいないよ、一歩一歩進もう」

ダメな自分を愛せなくても 無理に笑って自分騙すなよ
守りたいもの 譲れないもの 1つも比べられないもの
「まだ終わっちゃいないよ、一歩一歩進もう」
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