しっぽの丸い小犬

大きな都会の片隅に
一匹の小犬が住んでいました
白と黒のぶちぶちの
しっぽの丸い犬でした

くる日もくる日も遠くの
雲の浮かんだ空を見て
あの空の下へ
行きたいと思ってました

青い水と白い砂がそこに
そこにあるんだとさ
緑の道と真赤なお陽さまが
そこにあるんだとさ

或る日子犬は早起きをして
荷物をまとめて首にかけ
生れた街にさよならをして
歩き始めました

でもそんなところも
子犬はちっとも見ませんでした
ただただ眼の前に
ビルがあるばかりでした

青い水と白い砂がそこに
そこにあるんだとさ
緑の道と真赤なお陽さまが
そこにあるんだとさ
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