沈丁花

降りしきる 雨の吐息に
濡れて傾く 沈丁花[じんちょうげ]
許されぬ あの人と二人
忍びあるく 坂道
思い切れない 人だから
思い切れない 恋だから
ひたむきに 燃える心
二人でいても 何故か淋しい
夜明けの 裏通り

港まで つづく舗道に
白くこぼれる 沈丁花
こんなこと していたら駄目と
熱い胸を 抱いてる
忘れられない 人だから
忘れられない 恋だから
なおさらに つのる心
雨が止んだら 春の風吹く
夜明けの 裏通り

終わりかけてる 人だから
終わりかけてる 恋だから
ひとときに 賭ける心
雲の切れ間に 陽ざしが見える
夜明けの 裏通り
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