うたかたの日々

石畳の路地で 聞こえくる声に振り返れば いつか見た姿
古い建物の陰に ひそかに記憶の白い花が 蕾つけている

霞むように そびえる 摩天楼
ガラスに映った現実は 幻影

懐かしいあの日の世界が 遠いとは限らない
うたかたの時間を この胸に 吸い込んで 歩く黄昏

地下鉄のホームでは くぐもる響きが想い出より 深く懐かしく
ざわめきに包まれ 生まれる前の 知るはずない 景色を見ている

川のように 流れる 光は
ときに渦巻いて戸惑いながら

懐かしい未来の扉が 遠いとは限らない
うたかたの街が 見てる 夢だろうか 遠い日の
記憶は消えずにとどまり 混ざり合い漂えば
この角 曲がると すぐに 出逢えそうな あの頃の日々

手を伸ばしたら ふいに 見えなくなる うたかたの日々
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