消失

太陽だけを
睨みつける
たとえこの眼が見えなくなっても
忘れたくない
この光を
この眼で見てきたすべてを

さようなら
いつかぼくら
忘れてしまう
なにもかもを
たとえば
この痛みを
生きてきた証さえ

君と見た夕焼けも
涙も笑い声も
僕らは忘れてしまう
傷つけて
傷ついて
逃げ場を失って
立ち尽くすこえさえ

夢から醒めた子供たちは
覚醒と遮断を繰り返し
意識の無いまま
列に並び
また色のない夢をみる

たとえば
積み重ねた
日々のパズル
ひとつ欠けて
すべてが崩れ落ちて
すべてどうでもよくて

自堕落な生活と
擦り減った感情
言い訳をして
叫んだ夜
“俺はまだこんなもんじゃない”
誰かの所為(せい)にした
本当は
わかっていたはずだったのにな…

君と見た夕焼けも
涙も笑い声も
いつかは忘れてしまう

悔しさだとか
死にたいとか
嘘とか
希望とか
そんなことすらも
忘れてしまう
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