冬京

汚されてゆくために 舞い降りる白い蝶
この街に降る雪は それだけが哀しい

愛されていただけで 愛し方知らないで
流されていたことに 気がつけば独り

後ろ向きの影 追いかけて今
震える心が 駆けてゆく

胸の叫び ビルの谷間
迷い人 冬京

ひび割れた街並に 静けさが染みこんで
手のひらに受けとめた 冷たさが優しい

足音が消えてゆく 涙さえ流さずに
傷跡が痛む時 振りむけば独り

今日だけでもいい 白いドレスで
わたしの躰を つつんでよ

胸の叫び ビルの谷間
迷い人 冬京

胸の叫び ビルの谷間
迷い人 冬京
×