浴衣の襟元 そっとなおして 紅い鼻緒に 目をやれば
耳鳴りのような 蝉の鳴き声 時を惜しむように 夜に鳴いてる

誰にも内緒で 貴方に逢いに行く
少し汗ばんだ肌は 夏の暑さのせいなんかじゃない

私はまるで 夜に鳴く蝉
わずかな時にしか 生きられぬ恋
私はまるで 夜に鳴く蝉
貴方に愛されたいと 鳴いている

結末の見えた 恋なんてと 人は言い捨てて しまうけど
貴方の唇で 触れられたなら 私は舵を失った 船になる

誰にも内緒の事が 増えて行く度
心と体は だんだんと 別の方へと 離れてしまう

私はまるで 夜に鳴く蝉
叶わぬ願いだと 言い聞かせてみても
私はまるで 夜に鳴く蝉
貴方だけが愛しいと 鳴いている

私はまるで 夜に鳴く蝉
わずかな時にしか 生きられぬ恋
私はまるで 夜に鳴く蝉
貴方に愛されたいと 鳴いている
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