待ちわびた音色

名前を呼んだ
蝶が舞った
色が着いて始まった
竦むようで
弾むような
やわらかな春の日

風が吹いて
揺れる幕に
影もそっと、うつろいで
不安定で
また、脆くて
僕らは宙に浮く

揺れながら
吹かれながら
重ねて、透かして映る君の模様

ラララ
霞むリズム
それは春のせい
そんな待ちわびた音色に気付いてよ
ラララ
逸るリズム
それは春のせい
そんな伝わりそうにもないことを
ずっと描いている

午後に傾きだした街に
白い袖元を撫でるように

揺れながら
吹かれながら
重ねて、透かして映る今日のこと

ラララ
霞むリズム
それは春のせい
そんな待ちわびた音色に気付いてよ
ラララ
逸るリズム
それは春のせい
そんな伝わりそうにもないことを
ずっと描いている

描いていこう
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