燃えない呪文

誰もいない君の夢を見て
まだ浅い呼吸
絡まる針が僕らを急かす
黄昏に凪いだ街の出口

振り返る 丘の向こう
静かに燃えている青に
掌 ひろげて

君の目に映り込む世界から
溢れ出してる光を掬って
この空に溶けるもの全てが
きらめくように

押し込んだまま
夕闇に溶けてく声
追いかけてく
それはいつかの密やかな呪文
羽根が生えるような透けた魔法

鳴り止んで 聞こえてくる
幻さえも抱きしめて
このまま駆けてゆくよ

ほら、夕空に浮かんでる
月のように頼りない魔法
めくれた空を見つけたら
思い出しておくれよ

君の目に映り込む
世界から溢れ出してる
光を掬ってこの空に敷き詰めたなら
きっと聴こえるから
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