ヒューマニズム

齷齪拾った黄色い線の内側にある生活を
難題など無いことも無いくらいじゃ涙は出ない
自分以外ばかり見定める目 液晶に潜って
乾いた目の玉転げて夜の穴塞げなくなった

生き過ぎは 痛々しい
お馴染み 猿芝居で虚仮威され慣れた命
此処では無い 此処には無い
此れでは無い 何処にも無い
ひとり惑う 閑古鳥の歌

誰一人触れさせない
如何なる惰弱や醜さの群れは
一つ残らず 優劣など無く
無垢なあなた
誰になったつもりなの?
その批評家ぶった 三万番煎じ
私という名の 鏡の前で
どうぞお好きに

今まで他愛ない常識ばかり
舐め続けてきた所為か
馬鹿になった舌の根引っこ抜いてしまいたいわ

圧倒的 独創的 天才的
かつ客観的な思想論理
さあ望み通り 御目通り
殊更大層な扉の奥 解く金の鍵
あれ どこにやったっけ

誰一人触れられない
所謂 正義や意志の類は
言葉の小舟 手にした櫂で
東を目指せ
誰になったつもりもない
けど分かってる きっと三万番煎じ
飽きもしない 味のしない
昨日の続き

自分一人指す言葉探す
そんなもん無いと既に悟ってる
意識の檻の外側には出れぬ
空っぽの自分を見られたくない

誰一人捨てられない
即ち情とか愛の類は
命の螺旋 存在の境界線
唯一のあなた
誰になったつもりでも
ただ美しい そんな三万番煎じ
廻る綺麗事
探す自分事
続くイタチごっこ
こんな世界の
そんな生き物
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