回数券

思い出にさ溺れたまま
動く外を見ていた
曇る窓の向こう眺めたときに
動くビルは止まった

改札を抜けて見渡したら
君のことを思い出しちゃうかな

さよなら 君の眼に映る色
寂しい思いをしないように
これから見ないように移す色
思いを、届けて

怖いことはさ、ひとつしかなかったよ
知らない方がいいね
見慣れない顔見た時に
降りるのをやめてしまったんだね

改札を抜けて見渡したら
嫌なことも思い出しちゃうかな

さよなら 映らなくなった眼に
残った私も

さよなら 見ていた景色が
悲しい思い出にならないように
これから見ないふりのふたりには
わかるよ、きっとさ
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