レースのカーテンを揺らした

冷たい風が吹いた
あの娘のスカートを揺らして 少年の汗を飛ばして
僕の部屋に吹いた

冷たい風が吹いた
男のスーツをなぞって 彼女の涙をすくって
僕の部屋に吹いた

いつからだろう ぬくもりに慣れて頑張れなくなったのは
いつからだろう 恥ずかしくなって走れなくなったのは

数え切れない思いの中で たった一つの思いが叫ぶ
それは誰にも聞こえないようで きっと誰かが聴いている
使い切れない言葉の中で 使い古された言葉をただ
当たり前だと笑うようで きっと誰もが望んでる
生きたい

冷たい風が吹いた
あなたの祈りをさらって 優しく頬を触って
僕の部屋に吹いた

いつからだろう
いつからだろう

数え切れない思いの中で たった一つの思いが叫ぶ
それは誰もがしていないようで きっと誰もが隠してる
拭い切れない涙の中で やっと掴んだ日常をただ
うまくこなしていたいようで きっと誰もが足掻いてる
生きたい

冷たい風が吹いた
疲れた顔にキスして 繋いだ手を通って
僕の部屋に吹いた
冷たい風が吹いた
世界中を旅して 透明になった風が
レースのカーテンを揺らした

数え切れない思いの中で たった一つの思いが叫ぶ
それは誰にもわからないようで きっと誰もがわかってる
数え切れない奇跡の中で たった一つの奇跡が叫ぶ
平気な顔をしてるようで きっと誰もが叫んでる
たった一つの命として
代わりのいない命として
かけがえのない命として

生きたい
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