紅の酒

襟(えり)の乱れに すべりこむ
花は夜桜 春なのに
もどれない もどらない
身も世も捨てた 恋だから
噫(あゝ)…あなた
のませてください 紅の酒

合(あ)わせ鏡 寝煙草(ねたばこ)の
蛍(ほたる)いとしい 闇の中
うしろ指 さされても
いのちと決めた ひとだから
噫(あゝ)…あなた
溺れてください 紅の酒

ふたり墜ち行く奈落なら
墜ちて行きたい 悔やまない
離れずに 離さずに
あの世の果ての 果てまでも
噫(あゝ)…あなた
そそいでください 紅の酒
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