ツバメ

凛と空を切りながら
春を求めやって来た
ツバメ ツバメ つややかな
黒い羽を広げて

アセビの木に止まる
不意に目と目が合う
きみの生まれ変わりだと
僕は知る
若葉たちは芽吹く
花は咲き乱れる
遥か空へきみは 飛び立つ

振り向かなくていいから 次の春には
帰っておいでここへ 出逢い続けよう
きみの春になろう

きみを守ると言いながら
頼っていたのは僕だった
つらい時は今だって心で
きみの名前呼んでいる

とどまるものはなく
季節だけがめぐる
僕はここで歌う
旅立ったきみが
迷ってしまわぬよう
さみしさ覚えぬよう
声の限り歌う 後は追わない

正解なんてないから 疲れた時は
帰っておいで僕へ 生まれ続けよう
きみの母になろう

振り向かなくていいから 次の春には
帰っておいでここへ 出逢い続けよう
きみの春になろう
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