アンセム

高速で通過して行く日々
流されていった 温度と僕と残像
繰り返し繰り返しの毎日
終わりのない夢 それだけを頼りにしていた

繊細で かよわくて 後ろ向きで 臆病な自分を
何よりも大切なのに 余裕がなくなって
手放してしまいそうになったりね

だけど こんなにも前を向いていられている
そんな自分が 誇らしくもあって

「無限」と強弁した 可能性が
日々 僕を断念へと誘っても
「まだまだやれるさ」「これからさ」
そんな 勧誘に易々と乗って

叩いたポケット 音がして
何か 一つ 今 弾けた
何処も同じような悩みで溢れて騒がしい
そうやって僕らは回っている

昨日までは 確かにあった胸の痛みが
一晩寝て 消えていた
「ほら 結局大したことないんだろう」って
大袈裟なやつと言われて 落ち込んだりして

それなのに 夜の闇に紛れて
また そいつが襲って来て
漠然とした希望でさえも
追い剥ぎのように奪って行くんだ

名前のない不安は誰もが背負っている
そんな時代さ 俯いてんな

未完成の情熱で踏み出した
その足を正当化してくれるのは
誰かの教えじゃない お手本もない
そう 自分自身だと 気付いているよね

スレンダーにしていった でっぱりや「らしさ」を
さぁ いざ取り戻そうと足掻いても 何処にもない
そもそもなかったと 開き直っていたんだ

時計の音が 耳障りに弾んでいる
誰かの輝きには 辟易して目を伏せる
それでも 僕らには明日がある だなんて
あぁ 野放図なもんだ

真実なんて 誰も手にしてはいないから
「まだまだやれるさ」「これからさ」って
たわ言を高らかに鳴らして

叩いたポケット 音がして
何か 一つ 今 弾けた
何処も同じような 悩みで溢れて
騒がしい そんな時代だ
似たような歯車で 僕らは回っている
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