あの日

あの日 新しい上履きの 踵を踏んで
コンパスの針を 腕に突き立てた
あの日 いなくなりたいと 願っていたのに
2センチも背が伸びた あの日

許せない 許せないと
自転車を漕いで 息を切らせた
あの日…

あの日 ぼくはぼくから旅立った
ぼくのいない明日が今日になる
ぼくがいた昨日は昨日のまま
あの空の下でつづいている
ぼくは通り過ぎる 雨雲みたいに
きみの顔を翳らせて きみの不幸せを祈る

あの日 学校の中庭で 朝顔が咲いた
悔やむように 白い花が咲いた
あの日 よく芯が折れる鉛筆で 手紙を書いた
さよならとだけ書いた あの日

貯金箱を割って 切符を買った
行ったことのない 駅で降りた
あの日…

あの日 ぼくはぼくから旅立った
ぼくのいない明日が今日になる
ぼくがいた昨日は昨日のまま
あの空の下でつづいている
ぼくは照り返す 夕陽みたいに
きみの顔を照らして きみの幸せを祈る
きみの幸せを祈る
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