メイフラワー

思考回路が渦を巻いてあふれ出す PM25:00
聞こえるはずのない汽笛に耳をすまし夜を泳ぐ

魔法なんて起きないことは重々に承知していた
分かりきっているからこそ人は余計にそれを欲しがる

憂い 笑い 僕の中身は形も知らず大波小波
この重荷で泳ぎ切れるかい 距離を図る余裕もなくて

通りすがりの船にしがみつくように乗り込んだ
柔らかい汽笛の音は人の声に似ている気がした

夢で膨れた荷物は 碇より時には重い
誰に預けるつもりもないんだ
ただたまに思う 星が見たい

海原ゆくメイフラワーもいずれ大陸で止まる
そこからは歩いてゆくから それまであとひとつ夢を見せて

誰にとって何が海か
何が助け船になるか
朝を告げる汽笛の音は君の声に似ている気がした

僕を乗せたメイフラワーもいずれ大陸で止まる
そこからは歩いてゆくから
それまであと、ひとつだけ

朝日を浴びてメイフラワーよ
沈まぬ君よ 愛しい船よ
僕は歩いていけそうだ
碇より重い夢を背負って
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