岬にて

岬のはずれ 立たずめば
菜の花色の 春霞
ふるさとに似た 海沿の
陽射しにさえも 心はゆれる
恋に恋した日の 想い出よ

幼い頃の あどけなさ
かえってみたい もう一度
人恋しさに ふり向けば
やさしく咲いた 浜昼顔に
ちぎれそうに 風が吹いていく

消しては書いた 砂文字に
明日のことを 夢にみる
しあわせな日も つらい日も
いつでもここへ 訪ねてきたい
そっとひとり 誓う春の海
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