浪花の王将

「貧乏がなんじゃい
世間のうわさがなんぼのもんじゃい
あんたら坂田三吉 なめたらあかんで」

将棋一筋 男の道を
ばかや あほうやと 嘲笑(わら)われながら
苦労しがらみ 笑顔にかくし
男値打ちを 信じてくれる
小春許せよ 浪花育ちの
男の意地を…

「勝てば官軍 負ければ賊軍 今度の王将戦は
わいにとっては 一世一代の大勝負なんや…
小春 堪忍やで」

西の坂田か 東の関根
歩には歩なりの 人生(みち)がある
香車(やり)を使えば 日本一と
あれが浪花の 三吉さんと
背なで指さす そんな日もくる
浪花の春が…

「神様たのむわ…あと三日 いや二日でええ
わいの命 ちぢめてもかまへん 小春を助けてぇな
小春待っててや 死んだら 死んだらあかんで」

明日は東京へ 旅だつ俺に
こころ残りは 小春の身体
見せてやりたい 男の舞台
夫婦さかずき たもとに入れて
小春死ぬなよ 坂田三吉
人生勝負…
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