白河慕情

ふたりで差した 恋傘(こいがさ)あずけ
ひとりで辿(たど)る 南湖(なんこ)のほとり
気が付きゃ肩に 未練の雨が
つらい心を 締めつける
明日(あした)の夢が あしたの夢が
波間に消える… 白河慕情(しらかわぼじょう)

あの日を思い 元湯の甲子(かし)に
消えては浮かぶ あなたの声が
枕を濡らす 涙の露(つゆ)が
頬に広がる 冷えさせる
おぼろの月も おぼろの月も
宿から見える… 白河慕情

破れた恋の 傷あと疼(うず)く
変わらぬままの 小峰(こみね)の城は
縋(すが)って追える 勇気があれば
こんな別れが 来ぬものを
さくらの様に さくらの様に
花びら散らす… 白河慕情
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