おかえりなさい

通い慣れた通りの
夕陽を背にうけて
暑い日にも寒い日にも
胸を過る想い

丘の上に流れる
茜色の雲は
幼い頃にその手に抱かれ
見上げた空の色

「おかえりなさい」
あなたの声
懐かしい匂いふと立ち止まる
遠くにいても
忘れはしない
いつの日にか帰ろう

会いたくて走る夜
恋を知ったあの日
優しい音で 鳴く虫たちは
二人を見守った

「おかえりなさい」
あなたの声
愛しい温もりふと甦る
遠くにいても
変わらぬ想い
あなたの胸に帰ろう

時の流れに心洗われて
人は向かう家路へ

「おかえりなさい」
あなたの声
高まる想い汽車は動き出す
風渡る山
川そそぐ海
星たちよ

「おかえりなさい」
くしゃっと笑う
笑顔混じり涙ほろり
ああ「ただいま」と
あなたに言える
ふるさとに帰ろう
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