何度も

楽しげな話しが尽きたように
黙った月の夜
ポロリポロリと髭を弾いてる
猫は屋根の上

みんな誰かに出逢って
そして時には惹かれあって
でも少し嫌いになって
また好きも少し増えて
足したり引いたり 今いくつだろ

猫が知るたった一つの曲が響いている

名前のない公園に錆び付いた
ベンチとシーソーと
世界を簡単にひっくり返せた
鉄棒も眠る

じっと両手を見つめて
途中から数え直して
どこで躓いたのか
確かめられたとしても
同じ痛みをなぞるだけなら

暁に酔うほどわからなくもなってきた

目を開けたら君がいるまで何度も
目を閉じよう
じゅう数えるのはだぁれ?

もう無理しなくてもいいよ
だいたい計算は苦手
ただ僕に尋ねてよ
答えはわかっているから
最初も最後も変わりはなくね

湿ったらいい音が出せないと猫が言う

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