土佐堀川

ライオンの橋の とっ先で
あいつは川を 見つめてた
あんたはそれで すむからええと
あいつは涙を ためていた

橋をくぐった 伝馬船
まるで二人の 恋のよに
今にも 沈みそうやった

柳が揺れる 公園で
初めてそっと 抱きよせた
あんたは家で 待つ人がいる
あいつはマフラー 投げつけた

土佐堀川は 想い川
まるで俺から 逃げるよに
小さな蟹が 這っていく

あれは十九の 春やった
まるで昨日の ことのよに
土佐堀川は 流れてる
土佐堀川は 流れてる
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