Memoire Antique

旧き弦を爪弾き 手繰り寄せる旋律
遠く懐かしい歌に寄り添う
時は重なり……今、
過去は嘆き求める
褪せてしまって 手に入らない
色彩を

La memoire
何故に嘆く?
La memoire
過ぎ去った
哀切も
歓喜も
明日を織り成す響き

それは無数に咲く 記憶という花の
色を纏い踊る音符の仮面舞踏会
主人さえも失い
還る場所も無い儘
きっと紡いでゆくのだろう
願う……鮮やかな希望

神の付けた繰り糸 手繰りゆけば着くだろう
落陽の描く五線譜の上に
音を重ねて今、
未来達は求める
手を伸ばしても 手に入らない
幻想を

La memoire
何も持たぬ
La memoire
魂へ

哀切も
歓喜も
軈て伝える響き

悠久の空を舞う 鳥の羽ばたきさえ
生まれ落ちた日から 風の声に身を任す
深い森を彷徨う
者に届く標
きっと聴こえてくるはずだろう
それは……鮮やかな希望

さぁ、手を伸ばすがいい
凡て委ねるように

記憶達よ踊れ 廻る紡ぎ車
過去を色に変えて 明日を染めて織り上げる
希望達よ歌え 寄り添うような旋律
きっと聴こえてくるはずだろう
それは……懐かしき希望
“Memoire”
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