夏空

鳥肌立てながら歩く
半袖じゃまだ寒い 朝方の街

片耳聞こえないイヤホン
本日のBGMは 流行りのラブソング

螺旋状の毎日を
「平和」の一言で 片づけるような
つまんない奴に なりたくないよ

透き通る夏空へ飛び込めないのは
きっとあの頃のように 綺麗な僕じゃないから
転んで擦りむいた膝の傷が ジクジク痛む

蜃気楼 揺れてる坂道
失くしたものだけを 数え歩いた

欲しかったものは何だ
聞き飽きたBGMじゃ 響かなかった

五線譜上のメロディが
汚れてしまわぬよう 閉じ込めてみても
ふとした拍子に はち切れそうで

月明かりは 弱く頼りないけど
歩いていくんだ 何があろうと
綺麗ごと?甘いかな?
子供の頃見た夢は全部 どこへ消えた

不確かな足元 動き出せない
このまま突っ立ってもいられない
確かなものだけ 握りしめて
「怖いかい?」「平気さ」
うるさい鼓動さえ 味方にして

透き通る夏空へ飛び込め
僕のこと呼んでる誰かの声に ほら耳澄ませて
雨上がり 虹もかからないなら光を探すよ
未来を照らし続ける あの夏の光

透き通る夏空へ飛び込め
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