最後のプロポーズ

気遣いの言葉さえ 口答えに感じてた
忙しさを盾に イライラしてばかり
ミスをして落ち込んで 飲んで叫んで
そして いつも 君のせいにした

もう手遅れだなんて 言わないで
君がいてくれたから ここまで来れた
今だから言える 心から言える
ごめんね そして ありがとう

夜泣きする娘抱いて 部屋の外で
あやし続ける君の声が 心に刺さる
男子家を出ずれば 七人の敵あり
若さゆえ 背のびしてた 男のプライド

もう手遅れだなんて 言わないで
バカな俺を やさしさで包み込んで
今だから言える 心から言える
ごめんね そして ありがとう

俺の愚痴を黙って聞いている君
空気みたいな女房が最高なんて
君に笑いかけることも忘れてた
そう気づいたのは つい最近のこと

もう手遅れだなんて 言わないで
あの頃の手のぬくもりが 微笑んでる
暮れゆく季節の中に たたずむ二人
分かち合おうよ 年老いた素敵な笑顔

今だから言える 心から言える
ほんとは ずっと 思ってたんだ
ごめんね そして ありがとう
×