風雪ながれ旅

破れ単衣(ひとえ)に 三味線だけば
よされ よされと 雪が降る
泣きの十六 短い指に
息をふきかけ 越えて来た
アイヤー アイヤー
津軽 八戸(はちのへ) 大湊(おおみなと)

三味が折れたら 両手を叩け
バチがなければ 櫛(くし)でひけ
音の出るもの 何でも好きで
かもめ啼く声 ききながら
アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧

鍋のコゲ飯(めし) 袂(たもと)でかくし
抜けてきたのか 親の目を
通い妻だと 笑った女(ひと)の
髪の匂いも なつかしい
アイヤー アイヤー
留萌(るもい) 滝川 稚内(わっかない)
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