女ひとりの日本海

女がひとりで 旅することを
あなたわかって くれるでしょうか
能登のはずれの 恋路ヶ浜は
あしたも見えない 雪ばかり
あなた あなたさよなら 夜明けの汽車で
ひとり迷子の ひとり迷子の ああ日本海

涙をたどって 帰るのならば
母と暮らした 故郷(ふるさと)だけど
能登のはずれの ランプの宿は
指まで凍る 波の花
あなた あなた探して 夜明けの汽車で
ひとり迷子の ひとり迷子の ああ冬の旅

この世の果てまで 吹雪いていたら
胸の叫びも 消されてしまう
能登のはずれの 海鳥たちは
またくる春を 運ぶから
あなた あなた恋しい 夜明けの汽車で
ひとり迷子の ひとり迷子の ああ日本海
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