椿姫 ジュリアーナ

ジュリアーナ 誰でも私を呼ぶ
ギターに合わせて 踊る人生
ジュリアーナ 楽しく踊りなよと
ドレスの上から 心脱がす

ビルの谷間にテントを張り
舞台をつくるピエロたち
とげとげしい顔と衣装で
心かくす私

幕が開(あ)き悲しい場面に
恋人たちは肩を寄せ
媚薬を見る視線(まなざし)

笑いながら泣いて 歌い踊る
私は踊り子 愛もない

ジュリアーナ 孤独な仮面に夢
悲劇に染まって 胸を焦がす

舞台が済むと売れ残りの
ワインの瓶を売り歩く
役者たちはベッドに入る
星が見たい一人

ブラウスに スカート巻きつけ
束ねた髪をときはなつ
もう誰にも見られず

私だけの私 求めながら
素顔になっても 愛もない

ジュリアーナ 希望もおぼれる夜
未だ見ぬ明日が 唯一の夢

ジュリアーナ 素敵な脚(あし)が見たい
耳に焼きついた 男の声
ジュリアーナ 夢中に踊らされる
生きてゆくことに シナリオない
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