情なし海峡

雨の桟ばし 消えゆく背中
はだしで駆けだし 呼びとめて
泣いてすがれば よかったかしら
爪の先まで 燃えてるものを
ああ船は出て行く 情なし海峡

カモメお前の つばさが欲しい
あの船おいかけ 飛んで行く
他のどなたの やさしさよりも
惚れたおとこの 無理さえいとし
ああ呼んで届かぬ 情なし海峡

夜の静寂(しじま)に 波音だけが
逢いたいにくいと せめぎ合う
たとえさだめに 負けても私
きっと死ぬまで あなたの女
ああ未練ひきずる 情なし海峡
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