硝子色の夏

遠ざかる雨の香り
風がほどいてく髪
こわいくらい透き通る青に
眩暈さえ覚えた

季節の裾を掴んで
離せないまま
静かに溶けてゆく
一秒前の私

いびつな砂時計を
そっと逆さにして
新しい明日へと ひとり
旅に行く

I love you
淡く光る記憶の欠片を
ひとつ ひとつ 空に翳せば
甘く愛しい笑顔 胸よぎるけど
褪せた昨日に戻れないの
あの日のふたり 硝子色ね

「あのね、心配しないで
ずっとわかってたの
でも…ごめんね
愛してる
愛してる
愛してる」

振り返るたび
こぼれる宝石たち
数えていたらきっと
もう帰れなくなるね

揺れる瞳閉じれば
醒めない夢の中へ
幻でもいいの
いまはこのままで まだいたいから

I love you
掠れた声 少し震えても
時を重ね 強くなれたら
いつか涙は遠い雨になって
離れた影 包み込むわ
幾つの夏を抱きしめても
あの日のふたり 忘れないで

I love you
I love you
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