哀しみのカレリア

港を離れる船から
花束 放って
汽笛に耳を塞ぎ
帰らぬ人の名 叫んだ

二人 肩を寄せて
暮らしていたね
都会(まち)の片隅で

一緒に行けなくて
許してねって
君が泣いているよ

夢をひとつも叶(かな)えられずに
哀しかったよ

オーロラの街で出会った
異国の少女が
君の写真 指差し
涙で十字架切ったよ

逢えて うれしかったと
切ない声が
胸をしめつける

想いでを固めた
雪の礫(つぶて)で背中 殴りつける
君の幻影(まぼろし)…

そこから見えるかい
二人夢見た 流氷の海さ

何でも分けあって
生きてきたから
命さえも君にあげたかったよ
あゝ哀しみの あゝカレリア
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